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「よい」テストの条件:妥当性、信頼性、実用性
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■ 同じテストを同じ受験者集団に複数回実施して(「再テスト法」といいます)、その結果が同じならば、そのテストは安定している(stable)といえるでしょう。この安定度は、複数回のテスト間の相関係数を求めることで把握できます。

■ 「再テスト法」は、同じテストを少なくとも2回は実施しなければならないので、不経済ですし、「練習効果」という問題が生じます。そこで、考案されたのが、実際は1度しか実施していないのに、2度実施したとみなす方法です。これは全項目を折半して、半数の項目間の相関係数を信頼性係数とみなすことによって可能です。全項目を折半する方法にはいくつかありますが、奇数番号の項目群と偶数番号の項目群に分ける方法が一般的です。信頼性の概念は、再テスト法による「安定性」に対して、「内的一貫性」となります。

■ 折半法では、項目を2つに折半するペアの組み合わせ方法により、信頼性係数が変異します。そこで考え出されたのが、このすべての組み合わせの相関係数の平均値をとるものです。0,1データでは、キューダー・リチャードソンの公式、連続データでは、クロンバックαが使われます。