ただし,その区切り方にもいくつかの変種があり,どれを採用するかは慎重に検討すべきである。Iimura(2007)によれば,リスニングの理解度を筆記再生法で測定する場合,母語と外国語における筆記再生の比較のためによく用いられる分割基準(Carrel version)よりも,日本人学習者向けに作成された分割基準(Sakai version)のほうが幅広い熟達度層の学習者に適用しやすいという。前者と比べて後者の方がスクリプトを細かく区切ることができるため,断片的に聞き取れた英語を日本語で書きだすというプロセスによく馴染むものであると思われる。